エッセイ【Baby Step】│小樽駅で心療内科をお探しの方は世良心療内科クリニックまで

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エッセイ【Baby Step】Essay

大手町より祈りをこめて

2021年6月15日

 

打ったど~~~!!

コロナのワクチン!

ニュースで見たばっかの東京は大手町の合同庁舎で、打ってきました~~っ。

 

いや、ほんとはいつでもいいやってな投げやり気分だったんですワ。

だって、5月半ばに接種券が届いたその場で、すぐかかりつけ医に電話したのに、あぁ無情、早くても7月の末になりますねぇ・・・と。

ためしに、もう一軒、かつて通っていた小さなクリニックに電話を入れると、こちらも、♪答えは同じ~、あ~と~で~♪

つまんないなぁ♪の、山口さんちのツトムくん状態。

穴場狙ったつもりだったんだけどなぁ。

と、まさかの出遅れにめっちゃ落胆。

2か月先の予約をとる気力も失せ、ぼぉっとしてたら、降ってわいたような大規模センターでの集団接種ニュースが。

あらまぁ。

こりゃ、トライしてみにゃ!

 

ちょうど、先行した八王子だかどっかの自治体で、ネット申し込みにアクセスが殺到、サーバーがダウンして大騒ぎにみたいな報道があったばかりで、なんと東京の申し込み開始は“だいたい11時ころ”とのこと。

はぁ???

コンサートでも春風亭昇太の落語でも!ともかく人気のチケットをとるためには、まずはサイトを開いておいて、電波時計とにらめっこ、開始時刻ジャストまたは気持ちフライング気味に打ち込み!!というのが、常識でしょ?!

あ、ちなみにGoToEatでも、この方式で頑張ったんだったわ(2時間以上かかったけど・・・)

 

な・な・な・なのに、11時“ごろ”ってさ。

いや、ある意味、すごいアイディアではある。

出鼻くじきシステムとでも申しましょうかさ。

これまで先手必勝ってか、先制攻撃あるのみだった、反射神経いいもん勝ちみたいな法則が、揺らいだのは確か。

 

で、予約開始初日。

朝9時ころ、試しにサイトを開いてみると、「まだ予約はできません」の文字がでかでかと。

当然ですね。

そろそろ11時になりかかるかなというころ、開いてみても、同じダメマーク。

じゃ~~~ん、11時になりました!

が、まだ、「できません」

ほぉお、やるなぁ、おぬし。

そして、5分、10分。「できません」

あらぁん、根性あるのはわかったけど、いったいいつ始めるわけ??

と、ここではたと気がついた!!

私が見ていたのは、申込サイトではなく、申込サイトへ誘うための一個前のページであったこと!!

ひゃぁ~~~~~ん、あわてて次のページにいったら、もうとっくに予約は開始していて、混んでるからしばらく待て!との指示が!!!!

うっそぉぉ~~~~!!

 

そもそも、なんで気づいたかというと、私はこれまた定番のダブル方式、つまりパソコンの横にスマホを置き、両方で同時にアクセスしていたんですね。

で、なぜかスマホのほうは少しして勝手に(?)申し込み画面が開いて、むむむ?!!

なんじゃ、こりゃ?!とパソコンのほうをクリックしたら、なんだよ、こっちもとっく予約開始してたんじゃ~~~ん!

誰だよ~~っ、まだ予約出来ませんって、表示してたのぉ!!!

バカ正直にトップページだけ見てて、またしても出遅れたじゃぁ~~~ん。

半ば動揺しながらも、とりあえずは、スマホで自分の予約を取り、遅れること10数分後、パソコンで母の予約を無事完了。

 

ひゃぁ~~っ、ほっとしたなんてもんじゃありませんでしたわい。チャンチャン。

でも、その10数分の違いで、同じ日の接種予約は出来なかったのだから、いやはや、その集中ぶり推して知るべし。

 

ややあって、そうだ、80才でスマホも持っていない完全IT難民のおばの分も申し込んであげようと電話をいれ、接種券のナンバーだの区の番号だの聞いて、アクセスしたら、が~~~ん、はや満杯!!

それだけ、みんな早く打ちたいってことだよね、と納得しながら、夕方のニュースを見ていたら、んんん?なんだか微妙なニュアンスで、本日の予約フィーバーを伝えていたぞ。

“大阪は予定枠がすべて埋まりました、東京も・・・・・”

何万件のアクセスがあったとは言ったけれど、満員とは言っていなかった。これって・・・・

 

あわてて、またパソコンに飛びつくと、勝手知ったるサイトにアクセス。

すると、あ~ら、不思議、午前中、確かに満員になったはずだったのに、空きがあるじゃあ~りませんか!

あ、な~るほど!そういうカラクリか・・・。

って、別にからくりってほどじゃないんだけど、要は会場がAからDだかまで分かれているんだった!!

して、私が朝見たのはA会場の予定数がフルにっていう表示だったのだ。

でもねでもね、パッとスクロールした段階では,BだのC会場なんて出てこなかったんだよ。

いや、もしかしたらあったのかもしれないけど、少なくともすぐ気づくようにはできてなかったゾ。

ともあれ、すぐつながって、ものの数分でおばの予約は完了。

はぁ、いっせいのせ~っ!でアクセスするばかりが能でもないんですね。

うん。ひとつ学んだぞ。

 

さて、で接種当日です。

テレビでは、改札を出たところからともかくスタッフがそこかしこに立っていて、ぜったい迷子にはさせないぞという政府の気迫みたいなもんを感じました、とか言ってたけれど。

私の下りた丸ノ内線の大手町駅には、張り紙一つなし。

ワクチン接種のワの字もないぞ。

して、大手町駅は名前こそ一緒だけれど、いろんな路線が乗り入れててフクザツ怪奇もいいところ。

前日のニュースで仕入れたC2bという出口番号の表示だけを頼りに、人通りのほぼない薄暗い地下通路をえんえん5分10分。

半蔵門線をすぎ、千代田線のコンコースへついたら、はじめて接種会場はこちらの矢印が!!!

で、改札を出たら、そこからはもうおいおい人間の鎖か?ってくらい。ほぼ2メートル間隔くらいで案内スタッフが。確かに、これじゃ迷子になりようないかも。

だったら、丸ノ内線にも少しくらい張り紙しとけよな、まったくこれだからお役人仕事は・・・とぶつくさ言った私ですが、今はもう改善されてるかもね??

 

会場のビル前には、サッカーの控え選手みたいなカラフルな胴着をはおったスタッフに交じって多くの警察官や自衛官の姿も。

真っ白の半そでに肩章つきの夏服は、きりり清潔感があって、あら、男女とも2割がたは盛れてるかも?!

などとキョロキョロ進んでいくと、前後左右から矢継ぎ早に“接種券はおもちですかぁ??”とか、“予約はなさってますかぁ?”とか声をかけられ、ハイあなたはこちらのゲート、そちらは・・・・とさっさと振り分けられ、ゲートイン。

検温の自動センサーに始まり、はい次、はいお次と、ラインに沿って誘導され、ずらり並んだパイプ椅子に腰をおろす暇もないほど。

赤・青・黄・緑とか最初にわたされたファイルの色に従って、エレベーターへの道もみんなふりわけられていて、スムーズといえばスムーズ。

ただ、たぶん、もっと混んだ場合を想定していると思しき動線は、やたらUターンや迂回が多く、疲れる~~~っ。

ここショートカットしてもいいんじゃない??というようなとこも、いちいち空いた椅子の横歩かされたりして・・・・杖ついたじいさんばあさん連中も多いのに。一考あってよさそう。

 

とかとか手際をあれこれ観察しているうちに問診、注射、具合の確認と3つのブースを渡り歩き、あっというまに広い経過観察エリアに。

ここに来るまで計10回は手指のアルコール消毒をしたろうか?

カーテンやパーテーションで仕切られた場所をぐるぐるさせられてたんで、急に開けた窓のある部屋に、なんだかちょっと感動したりして。

 

あぁ、空が見える!

ビルが高い!さすがトウキョウだぁ。

 

帰りは、指定された時刻になったら順次勝手に退室していい仕組み。

でも、そこは年寄り、出口付近のスタッフに、もうよろしいでしょうかね?とか、なんだかんだ話しかけて、かえって流れを滞らせたりしてたっけ。

 

ま、かくいう私も、皆さん自衛隊の方?とか余計な事聞いたりして

あ、東京都の方? 厚生省?

いや・・・ただの寄せ集めのアルバイトです。

40代後半と思しきちとかっこいいおっさんが、ちと照れたふうに答える。

ほぉ。なるほどね・・・。

最後にエレベーターで降りるところまで、整然と列に並ばされ、出口で消毒スプレー、シュっとしてビルの外に出るまで、約30分。

さわやかな五月の風が頬をなぜ、ほっと一息、見あげた空の広いこと、青いこと。

 

コロナに打ち勝った者の余裕とでもいうのか、いや、その解放感たるや。

あ、まだコロナに勝ったわけじゃなかったデスね。正しくは。

けど、もはや、気分としてはかんぺきコロナ勝者!

たった1回ワクチン打っただけだってのにね。

ほんと、不思議。

それだけ不安のなかっで暮らしてたってことですかね。

意識はしてなかったけど。

 

考えてみたら、地下鉄に乗ったのだって下手したら1年以上ぶりかも!

およそ電車とか公共交通機関に乗って遠出(!)をするなんてこと、なかったもの。

銀座だって乗ってしまえば20分そこそこだけど。ぐっとこらえてたもんなぁ。

 

あ、それでなのかな?

接種会場がやけに華やいでいたのは?!

そう、みんな別に無駄口たたいたりしてるわけじゃないんですよ?必要最小限の会話しかしていない。

医師やスタッフに質問されたら、ハイとかイイエとか短く答えるだけ。

でも、なんだか空気が沸き立ってる、うきうきした気分がそこかしこに充満してるというか。

ちょっとしたお祭りのようなざわめきが。

 

あれかな。

もしかしたら、久しぶりに大勢の人が集まって、同じ一つの目標に向かってきびきびすっすと進んでゆくって行為が、なにがしかの昂揚感を生むのかも。

 

コロナ禍で、日々孤立化を余儀なくされている高齢者たちにとっては、わざわざ大手町へ出かけ、集まる!というだけで、大きなイベントに参加してるような軽いコーフン状態にあったのかも。

 

そうね、きっと。

私も帰りはわざわざ政府が用意したシャトルバスに乗って東京駅まで出たもの。

普通の都バスと、はとバス。どちらも無料だけど、私迷わず、はとバスに乗ったもん。

都民にとっては近郊の観光でおなじみの黄色い車体=非日常!

高いステップ上がって、50名からの定員びっしり(密です、密!)の車窓からは、皇居のお堀が見えて。

風に揺れる柳の美しいこと。

気象庁のビルと経団連のビルがすぐ真横で、なぁんだ、、わかりにくいと評判だったけど、、いいとこなんじゃん。

江戸の名残みたいな和田倉門かいわい。深い緑の並木道のあいだを走る数分間はつかの間の旅気分!

これが非日常でなくてなんだろう。

 

東京駅丸の内で下車すると、目の前には元東京中央郵便局のKITTEが。

屋上テラスからは東京駅と新幹線ホームが見おろせる、大好きな場所。

気分が高揚した私は、久しぶりに一人ということもあって

こじゃれたランチでも…と入ったら、一階ピロティは薄暗~く、数軒の店をのぞいてほぼ閉館状態なのだった・・・・・。

あ、そうか、緊急事態宣言中だったんだっけ。

現実にひきもどされ、すごすごとKITTEをあとにした私。けど、有楽町まで一駅の~んびり歩き、おいしいバゲットとペストりーをお土産に帰宅しましたとさ。

 

以上、ワクチン接種・大手町レポートでした。

 

って、あ?興味ない?!

東京や神奈川、千葉に住む友人たちの間では、いつ打てるかとか、大手町ってどうなのよ?とか、LINEで関心しきりなんだけど。

 

北海道の友人は、来週2回目だよと、あっさり。

あ、なんの問題もないのね?

こちらは、さながらワクチン争奪戦立ったので。

 

今朝も、ご近所さんがすれ違いざま、今から2回目~~~と自転車をかっ飛ばしていった。

70すぎてるけど。

おはようもなしに、いきなり、それだけ。

おぉ、いいねぇ、気をつけて~~!

私も声援よろしく手をふったりして。

 

今、仲間うちの関心事はもっぱら2回目の副反応。

かかりつけ医から、カロナールを処方されたと、一人が書き込めば、サンフランシスコではバファリンが推奨されてると誰かが答える。

ホームセンターの薬局に行ったら、コロナワクチン解熱剤は売り切れとラベルが貼ってあったとか。

頭痛が出る前に薬をのんだほうがいいとか、よくないとか。

あっちこっちで盛りあがってる。

 

オリンピックは本当にやるのかしら?

私のパソコンには、ときどき、「外国人おもてなし語学ボランティア」事務局からメールが入る。

2年前、東京都の公式イベントで、街中で困って外国人を見かけたら、積極的に声をかけましょうって講座があって、2日間ほど講習をうけ、認定(?)バッジを渡されたのだった。

あの頃は、こんなことになるなって思ってもみなかった。

講習には元商社マンなんて英語がペラペラの人もいたけれど、片言もおぼつかないようなおばあさんとか、ワーキングマザーとかいろんな人たちが集まっていた。

小さい子がいて働いてて、なおかつボランティアだなんて、日本の若いママさんってホントえらいなぁと感心したんだっけ。

うちの母親も、2年前はまだ数時間なら一人でいられて、私は講習が終るや、いの一番に教室を飛びだして帰ったんだっけ。

 

いろんなことが変わるね。

7月になれば、またフェイズはいろいろ変わってるんだろうな。

ワクチンが済んだら、ランチしようねっ!と、友達は手ぐすねをひいているけれど。

マラソンは札幌を走るのかな?

 

観光客は来るのかしら?

観客は入れるんだろうか?

隈研吾は先見の明があったんだろうか?

いろんな色の混ざったスタジアムの観客席は、誰も居なくても、空席が目立たないってか、なんだか人が入ってるように見える。

 

仕事先であったおじさんは、陸上男子100メートル決勝が見たくって、なんと30万円のチケットを購入。

う~~~ん,だって、日本人が決勝に残るの生で見るなんて、一生に一度あるかないかなんですから・・・と、ニッコニコ顔だったけど。

人工透析をしているから不要不急の外出を控えると、もう2年、音沙汰ないけれど。

まだチケットはキャンセルしてないだろうなぁ。

9秒9台の男子は何人残れるだろう??

 

東京は昨日梅雨入り。

北海道は梅雨がないって言われてるけど、そうでもないよね?というのが、釧路に住んでいた私の感想。

うっとうしい梅雨、うっとうしいコロナ。うっせぇうっせぇうっせえわ♪

 

なにもかもすっきり晴れわたる、美しい日がきますよう。祈りをこめて。